2013年12月4日星期三

SAMSUNG液晶パネル新用途開拓の行方

Samsung Electronics Co.,Ltd.は,ガラス基板製造ラインへの不断の投資やサプライ・チェーンの構築で他のLTN150XG-L08 液晶パネル・メーカーの引き離しを図ってきた企業である。ガラス基板製造ラインへの投資の目的は,製造コストの低減や大型液晶パネルの効率的な切り出しなどである。テレビ・メーカーでもあるSamsung Electronicsやシャープは,テレビ市場を40型以上の大型化に誘導するべく活動していたが,テレビ・サイズの大型化は両社の思ったとおりに2007年に進まなかった。さらに,各調査会社は,液晶パネルの金額面での成長が鈍化すると予測を立てている。液晶パネル・メーカーもその点は十分に認識しており,テレビやPC用途以外の新たなアプリケーションの開拓を図っている。

他社に先駆けて40型以上の大型液晶パネル製造を本格化させたSamsung Electronics
 Samsung Electronicsは,40型以上の液晶テレビの新たな市場を開拓しようと活動している市場誘導型の企業である。Samsung Electronicsはテレビ・メーカーと液晶パネル・メーカーの2つの顔を持つ。一般的に液晶パネル・メーカーが普及と収益性のバランスを取るには生産コストの低減が鍵となる。そのための施策で有効なものの1つが“ガラス基板の大型化”である。
2007年には,ソニーとの合弁会社である韓国S-LCD Corp.が,第8世代(8-1)ラインで液晶パネルの量産を開始した。同ラインでは,月産5万シートを生産している。1シートから52型の液晶パネルを6枚切り出すことができ,これが最も効率のよいサイズである。同年11月には,8-1ラインにSamsung Electronicsが単独で2,300億円の追加投資を行うことを明らかにした。増設した8-1ラインがフル稼働すると月産11万シートを生産できるようになる。Samsungは同ラインで北米市場向きの主力製品である52型液晶パネルの生産を拡大させる。

ガラス基板製造ラインの世代進行が招く事業リスク
 ガラス基板の製造ラインを大型化すると,液晶パネル・メーカーにとっていくつかのリスクが顕在化する。(1)設備投資の多額化,(2)ラインの汎用性が小さくなる,の2点である。
 (1)に関しては,先ほども触れたように,Samsung Electronicsは8-1ラインに2,300億円を追加投資する。シャープも第10世代ラインを含む堺のコンビナートに総額3,800億円程度の投資を予定している。世界各地で進行している放送のデジタル化に伴う特需も予測されているが,液晶パネル事業は需要の変動を受けやすい。
 (2)に関しては,第5や第6世代ラインはテレビ以外にPC用途のLTN150XG-L08 液晶パネルも生産しているが,第8世代ラインは今のところテレビ以外の用途はない。Samsung Electronicsは,30型台の液晶テレビの新用途として寝室用などの“セカンド・テレビ”,また30型台の液晶パネルをPCモニタとして使用することを提案していたが,実際に需要がどこまで伸びているかは不明である。

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